Southern Blog

  ~永遠の熱い胸騒ぎ~

~桑田佳祐 歌詞の世界 ⑪~

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さてさて「桑田佳祐 歌詞の世界 ⑪」を書いてみようと思います。


サザンオールスターズの桑田佳祐さんが創る楽曲の歌詞に的を当て、少ない情報による背景や事実とと共に「個人的見解」重視で (笑)、歌詞の一説に触れてみたいと思い、始めたシリーズになります。ファンの方は「あらためて」初見のかたや桑田さんに興味の無い方も斜め読み程度にお付き合い頂ければ幸いです。私が「昭和戦士?」なので今回も「比較的 初期作品」に触れてみたいと思います。(写真は全てサザンオールスターズ Official Siteより)


【茅ヶ崎に背を向けて】(アルバム:熱い胸騒ぎ)1978/08
「ほんとうに 今までありがとう さびしいねこれから先
                      だって見なれた街 後にするの yeah…」


ご存じの様に桑田さんは神奈川県茅ケ崎の出身。サザンオールスターズの活動と共に茅ヶ崎を離れる訳です。桑田さん的には自分が育った環境や自分が育った「昭和の色溢れる茅ヶ崎」と言う地を離れる事に非常に淋しさを感じたのでしょう。昭和の色とは茅ヶ崎に限った事では無い。「向こう三軒両隣(調味料の貸借り・郵送物の預り・お風呂の貸借り etc)」「近所の雷親父」「物は無いけど情がある」こんな事を桑田さんは非常に大事にしていますよね。「ほんとうに今までありがとう」「見なれた街」には、そんな様々な思い出と共に「だけど僕はやりたい事をやる為に離れますよ」と言った決意も込められている様に感じます。今でも茅ヶ崎に知人・友人の多い桑田さん。そんな気持を大事にされてる事でしょう。


      

【朝方年のムーンライト】(アルバム:ステレオ太陽族)1981/07
「恋に恋してりゃ あいそも尽きてく 思いがけぬまま 醒めてゆくだけのムード


このメロディーラインを聞くと「失恋」「失望」「落胆」という内容が想像できる。まさに、恋愛とは上手く行かない事を連想する。何故に上手く行かないのだろう?と問い掛けているようにも聞こえる。「恋に恋する」と言う表現も絶妙だ。若き時代は「恋人を作る」「好きな人を作る」など恋愛と言うよりも形に憧れる。つまり「恋に恋する」のだろう。そんな形から入る恋愛であれば冷めるのも時間の問題。故に「誰よりも好きな人になって 見詰め合える事を夢見る」のだろう。また「I'm waiting for you like another lovers do oh」私は、そんなあなたを待ちたい…とも感じているのだろう。若き頃の恋愛の難しさに触れた楽曲だ。若き年齢が故、様々な感情・葛藤の中で、さ迷うものなのだろう。


            

【思い出のスター・ダスト】(アルバム:NUDE MAN)1982/07
「Oh My Baby 思い出の “Star Dust" 波音に浮かびあがる Harbour Light
                どこから聞こえるのJuke Box 俺まかせなら“My Girl"」


言うまでもなく「横浜」をターゲットに展開しているラブストーリー漂う楽曲。
この「Star Dust」とは東神奈川にある「Bar Star Dust」を指しているのだろう。埠頭付近にある事からも「波音」や「Harbour Light」に繋がる。そしてこの「Bar Star Dust」には昔ながらの「ジュークボックス」がある。客や店の方が思い思いに酒のつまみに昔のオールディズなどを掛けて楽しんでいる。そこで「俺に選曲を任せてもらえるならば ザ・テンプテーションズのMy Girlを君に贈りたい」と言う事なのであろう。なんともキザな内容だが「横浜」「埠頭のBAR」「ザ・テンプテーションズのMy Girl」が上手く溶け合いイヤらしくない内容で、聴いているだけで、その状況が想像できる。大好きな楽曲です。
     


                   

【星空のビリー・ホリデイ】(アルバム:KAMAKURA)1985/09
「いけないケムリと水で その身をけずり落としてまでも」


何とも切ない、そして意味深い楽曲だ。ご存じの方も多いと思いますが「ビリー・ホリデイ」は1930年位に活躍した米国のジャズ歌手。時世が故の貧困・人種問題・などの背景もあり桑田さんの中でも印象深いビリーの障害だったのでしょう。この「いけないケムリと水で その身をけずり落としてまでも」と言うのは言うまでもなく「麻薬」「酒」だ。様々な背景が彼女を「中毒」へと導き身をも滅ぼすこととなる。「Baby あの頃見た Glory 孤独な黒い肌の Blues」「Billy 涙に濡れて歩いた日 誰も知らない」辺りの歌詞は何とも言えない寂しさも感じられる。耳から入る楽曲的にはスローバラード風で心地良さもあるが内容的には1人の女性ジャスボーカリストの壮絶な人生を語る意味深い楽曲と言えよう。映画「悲しみは空の彼方に」を題材にした「サラジェーン」にも言える事だが桑田さんの様々な「事実」に対する表現が非常に絶妙で聞けば聞くほど奥深い楽曲達である。


                            

【シャ・ラ・ラ】(SINGLE)1980/11
「女誰しも 男ほど弱かないわ 乱れた暮らしで 口説かれてもイヤ
                       横浜じゃ トラディショナルな彼のが」

ファンであればカラオケなどで一度は男女仲間とデュエットの経験がある楽曲ではないでしょうか? 男性(桑田さん)の「何するにせよ そっと耳元で語ろう」に対して、女性(原坊)冒頭ご紹介の一説「女誰しも 男ほど弱かないわ」で返す。そして「Let me try to be back to this place anyday」つまり「いつでも貴方(此処に)に戻れるように」という様な裏腹の愛情も含めた進行になっている様に感じる。そして「今年もなにゆえ さかのぼれば夢
二人でいて 楽しけりゃ なおのこと」つまり「互いのすれ違いや疑いはあれど最終的には貴方と上手くやりたい」と言う事と捉える。個人的には、この「今年もなにゆえ さかのぼれば夢」と言うフレーズが1年を振り返り良き思い出が走馬灯の如く浮かんでる様が好きだ。



「桑田佳祐 歌詞の世界」
また機会があればご紹介させて頂ければと思います。
ご感想等、お聞かせ頂けると幸いです。



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