Southern Blog

  ~永遠の熱い胸騒ぎ~

~桑田佳祐 歌詞の世界 22~

訪問ありがとうございます!

毎度、自己目線で恐縮ですが性懲りもなく「桑田佳祐 歌詞の世界 22」を書いてみようと思います。サザンオールスターズの桑田佳祐さんが創る楽曲の歌詞に的を当て、少ない情報による背景や事実とと共に「個人的見解」重視で (笑) 歌詞の一説に触れてみたいと思いまして始めたシリーズになります。ファンの方は「あらためて」初見のかたや桑田さんに興味の無い方も斜め読み程度にお付き合い頂ければ幸いです。私が「昭和戦士?」なので今回も「比較的 初期作品」に触れてみたいと思います。紹介させて頂いています各楽曲をご存じの方・ご存じない方も、対象の楽曲を聴きながら読んで頂けると幸いです!
                  (ジャケ写真は全てサザンオールスターズ Official Siteより)



【南たいへいよ音頭】(アルバム:綺麗1983/07)
「熱い恋ならちょいと見もよかろ 山羊の耳にもラブソング」


ファンの方は御存じと思うがこの楽曲はサザンのベーシスト、関口さん(通称ムクちゃん)が作詞・作曲しボーカルで歌い込んでいる珍しい一曲だ。「桑田佳祐 歌詞の世界」とは少々外れるがご容赦下さい^^関口さんは寡黙でボソボソ…っと喋り、桑田さんにはいつもイジラレテいる印象でよね(笑) この楽曲自体も「南太平洋」と言わず「南たいへいよ」としている所「ビルにのぼれば人よりゃ高い海の中では生きられない」で始まる歌詞も関口さんらしい感が滲み出ている。そして徐に「山羊の耳にもラブソング」とくるわけで関口さんの「無」の表現がふんだんに出ていて逆に興味深く聞き入ってしまうのだ。しかしながら曲調は「南の島(無人島)」が頭の中で広がり青い海・空が自然と湧き上がる楽曲でもある。勝手な想像をすると関口さん的には歌詞などどうでも良く「南の島の自由」みたいな事をメロディー化したかったのではないだろうか?その様に考えると更に歌詞も違う意味で生きて来るように感じる。


       

【女のカッパ】(アルバム:人気者で行こう1984/07)
「翔べよシュールにFade Away 星より高く 蒼い蝶の群れTom, Tom
                         街を染めてゆくLong Long Time」


1970年代のジャズ系(渡辺貞夫やドナルド・フェイゲン)などを彷彿とする楽曲のように捉える。例の如くタイトルに意味はないのだろう。後日談で桑田さんは「QUAPPA…クワッパァ!みたいのが良いのかなと…ジャズっぽい感じで…」とも語っていた。これを分かり易く日本語で「女のカッパ」としたのだろう。歌詞はと言えば「シュールにFade Away→シュールに消えていく」とはよく言ったものだ。「非日常的に消えて行く」を皮切りに「星より高く蒼い蝶の群れ」など何とも幻想の世界へと導くワードだ。これをジャズボーカリストの桑田佳祐が唸る様に歌う訳だからたまらない。不思議なもので桑田さんのメロディーに乗る歌詞は意味が出てくるようだ。この幻想の世界も現実の世界と重なる事が良くあるのだ。「何もしない人が笑える時代 Woo, I can't believe in you, Oh no」何もしない人→政治家を指しているのだろうか?そして「私は貴方を信じる事が出来ない」的な内容も織り交ぜている所など世の中に対する桑田さんのメッセージ性も高い楽曲だと考えます。


              

【稲村ジェーン】(アルバム:稲村ジェーン1990/09)
「Y asi fue que comenzo esta historia sin final de una ola que cambio a mi vida de verdad」


時は1990年、日本中でサーフィンブーム真っ盛りの頃でしょうか。この映画は産声を上げました。「稲村ジェーン」桑田さん監督作品。個人的には一昔前に一世を風靡した洋画「ビック・ウェーブ」の日本版に捉えていました。若き時代に体も限界を超える程の健康があり、心も豊かで様々な発想を具現化できていた時代。そして考える事は恋愛相手の事や、とにかく欲に満ちた毎日。しかし時が過ぎて若き体は老化し沢山周囲に居た仲間も一人、また一人と減ってゆく。気が付けば一人の自分だが若い頃に夢見た「ビック・ウェーブ」に乗る事を夢見てついにその時は来る…今の年になるとシミジミと心に伝わる映画だ。この映画タイトルでもある楽曲「稲村ジェーン」だが「スペイン語」で構成されている。そんな中での挙げさせて頂いた一説、日本語に訳せば「私の人生を大きく変えた、終わりのない波の物語が始まりる」とでも訳すのでしょうか?主人公は様々な人生模様を過ごしながら落ちぶれながらも忘れかけていたモノ、つまり「昔夢見た幻のビックウェーブに乗る事を実現化したいと言う願望が生きる糧として生きて来たのだ」という事なのだろう。幾つになっても「糧」と言うのは必要なモノ。そして尊いものなのだと実感する。


                       

【亀が泳ぐ街】(アルバム:世に万葉の花が咲くなり1992/09)
ネオンを浴びてる ピンクの谷間は 酔いどれ月夜の濡れた慕情よ 
                           妬けるぜ 映画館


ファンの方は既にご存知。桑田さんレギュラーラジオ番組「やさしい夜遊び」に代行で出演していたコーラスサポートメンバー「タイガーさん(井川 春さん)」お気に入り楽曲として挙げている。完全な「ジャステイスト」で出だしのベースが妖艶な感覚を脇立てる。この楽曲にピンと来ない方(ファン)も多いのではないだろうか?私自身、この楽曲に、ぴんとくるものはなく、聞き飛ばしてしまう傾向でもあった。頭の桑田さん自身あまり内容があるわけではない。メロディーに後付けに塩をつけた模様がわれる。しかし歌詞の1行1行、ワードごとに追うと桑田さんがこよなく愛する「昭和の妖艶な部分」を浮き彫にした、色彩で言えば「どす黒い赤」のイメージが漂う。歌詞の中には「木馬座」「マダムのお店」「女にシュミーズ」など昭和テイスト満載だ。そして、滑り出しで印象的な「未来の神保町」だ。神保町と言えば、東京は千代田区神田の本屋の街。古本屋さんや骨董品、書、などを置いた古い店が立ち並ぶ全国でも有名な街。歴史や有名な歴史上の作家が足繁く通った街でもある。そして様々な出来事が本や書に詰まり過ぎ去った時間を静かに見守る街のようにも感じます。つまり「未来の神保町」とは今(リリース時点)の日本を指しているのではないだろうかと捉えます。その辺を幅広く、桑田さんらしく歴史に紛れたエロチズムを散りばめ描いた傑作だと私は感じます。ぜひライブでも期待したい楽曲だと言えるでしょう。



【江ノ島(SOUTHERN ALL STARS GOLDEN HITS MEDLEY)】(SINGLE1993/09)


ご同輩におきましては、1980年頃から流行ったお馴染みディスコサウンドを彷仏とするサザンオールスターズにしても、特別なシングルである。そして「Z団」という昭和の頃によく「悪党」が好みそうな昔懐かしい呼び名でリリースされている。「Dear John」のゆったりとした前奏ラインからライブの桑田さんのキメ言葉「スタンドぉ~!アリーナー!かも~ん!」から始まり否が応でも体が動くシンドバットへと移り行き、その後はファンは知らない曲はないメドレーへと突入する。ファンはもちろんご存じのシングルだが「そんなん有った?」と思われる1980年前後のディスコブームを味わったご同輩に置かれましては是非もう一度聴き込んで頂ければ懐かしさと共にサザンの奥深さも伝わる様な気がします^^
    
(Dear John)・勝手にシンドバッド・(そんなヒロシに騙されて)・(MY FOREPLAY MUSIC)・ミス・ブランニュー・デイ・(そんなヒロシに騙されて)・ネオ・ブラボー!!・エロティカ・セブン・(Big Star Blues)・チャコの海岸物語・Big Star Blues・匂艶 THE NIGHT CLUB・君だけに夢をもう一度・匂艶 THE NIGHT CLUB・(マチルダBABY)・ボディ・スペシャルII・マチルダBABY・私はピアノ・(ボディ・スペシャルII)・(祭りはラッパッパ)・勝手にシンドバッド・シャ・ラ・ラ・Oh! クラウディア・いとしのエリー・夕方 Hold On Me・愛は花のように・夏をあきらめて・C調言葉に御用心・希望の轍・真夏の果実・Ya Ya (あの時代を忘れない)・涙のキッス・シュラバ★ラ★バンバ・(私はピアノ、エロティカ・セブン)・Bye Bye My Love (U are the one)・思い過ごしも恋のうち・いなせなロコモーション・みんなのうた・CHRISTMAS TIME FOREVER・(チャコの海岸物語)


        今回も最後までお付き合いありがとうございました!
  また機会があれば「桑田佳祐 歌詞の世界」書かさせて頂ければと思います^^