Southern Blog

  ~永遠の熱い胸騒ぎ~

~桑田佳祐(原由子)歌詞の世界 ⑧~

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「桑田佳祐 歌詞の世界 ⑧」を書いてみようと思います。
サザンオールスターズの桑田佳祐さんが創る楽曲の歌詞に的を当て、少ない情報による背景や事実とと共に「個人的見解」重視で(笑)、歌詞の一説に触れてみたいと思い、始めたシリーズになります。ファンの方は「あらためて」初見のかたや桑田さんに興味の無い方も斜め読み程度にお付き合い頂ければ幸いです。今回は桑田さんの「奥様」の原坊こと「原由子さん」の楽曲に触れさせて頂きます。ご存じの様に今年31年ぶりのオリジナルアルバム「婦人の肖像 (Portrait of a Lady)」をリリースされ多くのメディア関係でも活躍されてますね。また鎌倉にてソロライブ予定も控ているそうです
(ジャケ写真は全てサザンオールスターズ Official Siteより)



【Loving You】(アルバム:はらゆうこが語るひととき)1981/04
「愛してる と 呟きたいのに 照れくさいなら言葉でどういうの」


原坊のファーストアルバム。流れるようなリズムと少し落ち着いた優しい感じのメロディーラインが私は好きです。曲中には「I Wonder if you can live without love baby」と桑田さんが囁いている。「愛がなくても生きていけるのかな baby?」的な内容だろう。これは曲の冒頭に「恋するのなら瞳で語れるような」という女心の理想形のフレーズに応えている「贅沢言うなよ」みたいにも聞こえる。そしてご紹介のフレーズ。大好きな相手に上手く愛情表現ができずに迷う乙女心なのだろうか?「呟きたい」という秘かな想いと「照れくさい」という現実が交り合い、ならば伝えないままでもよいか…という「投げやり」にも思える。
どうでも良い話だが、個人的には「愛している」などの背中がこそばい言葉より「一緒にいると安心する」の方が嬉しいと共に愛情の説得力があるように感じる。(笑)


      

【イチョウ並木のセレナーデ】(アルバム:Miss YOKOHAMADULT YUKO HARA 2nd)1983/11
「ほかの誰かが好きなのはわかってたけど ノートのコピーを見せるのはいつも私」


この楽曲はファンの中でも原坊楽曲では上位に入る曲ではないでしょうか?言うまでもなく桑田夫妻の青山学院大学、学生時代を思い起こさせる甘酸っぱい内容だ。特に乙女心の「ほかの誰かが好きなのはわかってたけど」の後に「ノートのコピーを見せるのはいつも私」など本当に彼の事が好きな状況が思い浮かびますね。いわゆる「片思い」の切なさがストレートに入ってくるように感じます。ご婦人方には似た思いであるのではないでしょうか?^^余談ですが、1983年に放映されていた宮本輝氏の小説ドラマ「青が散る」の一コマを思い出す。主人公の椎名燎平( 石黒賢)は、見た目も派手で美貌のお嬢様である佐野夏子( 二谷友里恵)に憧れ・思いを寄せる。夏子の友人で少々地味で家庭的な同級生である星野祐子(川上麻衣子)は燎平に秘かな恋心を寄せるが上手く伝わらない…よくある話かもしれない。しかしながら、実はこの楽曲の作詞は桑田さんなんです。なので原坊の心境ではなく「空想の世界」として捉えても面白いですね。いやいや… 間違いなく青山学院時代に実際にあった思い出の曲でしょうね^^


              

【少女時代】(アルバム:MOTHER)1991/06
「いつでも微笑みを 泣き虫にさようなら 誰でも恋をして 大人になるのよ」


テンポが良く自然と心に馴染む楽曲と言うイメージ。詩の内容は言わずと知れた失恋の唄。
上げさせて頂いた一説。「誰でも恋をして大人になるのよ」には、自分だけではなく様々な恋愛を体験しながら人としても成長し、最終的に最愛・最適な伴侶に出会うのだと言う少女時代での失恋に対する慰めがほのめかされる。「教室の片隅で占う」「窓辺で幾つもため息」など何とも言えない表現で少女時代の感情や行動を表現されてると感じました。残念ながら私は男子なので「少女時代」の内容に全てが万事共感できる部分は無いが、女性陣の「少女時代」について赤裸々的に表現されている曲だと感じました。「生涯の伴侶」とは、ある意味、容姿や憧れや恋物語とは掛離れた「 安心や思いやり、危機に精一杯に手を差し伸べてくれる感覚・距離の人」を指すものだと歳を重ねる毎に深まって行く様にも感じる。



                      

【花咲く旅路】(アルバム:東京タムレ)2002/03
「喜びが川となり 悲しみが虹を呼ぶ 道なきぞ 
                    この旅だけど でもこんなに上手に歩いてる」
原坊の楽曲の中でもあまりにも有名。「まろ茶」CMソングでもなじみの深い楽曲ですね。アルバムも「MOTHER」をはじめ幾つかのアルバムに収録されています。しかし私的にはこの「東京タムレ」という「昭和歌謡(カバー)」に拘ったアルバムに収録されている事が非常に嵌りました。様々な昭和歌謡を聴いた後に最後に聴く「花咲く旅路」は一入のモノがあると感じます。そして、ご紹介の一説。「人は生きる中で様々な苦悩や悲しみに直面する。しかし、そのあとには必ず「虹」が出ます。濃いか薄いか別にして少なからず「虹が出る」付け加えれば「濃い虹だから幸せ」とも言い切れず、その時・その状況下での「薄い虹」ならではの幸せもあるのだと感じます。また人生は「道なき道」を歩き、行先さえも見失う事がある。しかし、思い返してみれば、今があると言う事は「まぁまぁ上手く、それなりに生きてるのだ」と言う事なのでしょう。桑田節ならではの、何とも心に染みるというか?素敵な表現だと感じました。


                               

【鎌倉 On The Beach】(アルバム:婦人の肖像 (Portrait of a Lady))2022/10
「生かされて 私は一人 歩き出す」


原坊31年ぶりのオリジナルアルバム「婦人の肖像 (Portrait of a Lady)」に収録されている「神奈川県鎌倉」を舞台にした楽曲。言わずと知れた、1985年に発売されたサザンオールスターズのアルバム「KAMAKURA」収録されている楽曲「鎌倉物語」の続編をイメージして制作したも楽曲。この詩は原坊の作詞によるもので、鎌倉に縁のある原坊としては様々な思いが詰め込まれ、詩に現れているのだと感じます。「鶴岡八幡宮の大イチョウ」「銀杏が天に蒼き枝を伸ばしている」など素敵な表現で鎌倉を表現している。そして「この世の中、一人では生きる事など出来ない。見えない周囲の力や他人の恩情で自分は生かされているのだ」という事にあらためて触れているように感じます。原坊の優しさや素朴さが伝わる、素敵な楽曲だと思います。あらためて1985年の「鎌倉物語」を聞きながら鎌倉を歩いてみたいと思う衝動に駆られる思いです。



さて今回は~桑田佳祐 歌詞の世界~」「原由子さん」の記事を書かせて頂きました。本当に一般意見から見ても愛される原坊ですよね。勝手な想像で恐縮ですが原坊は桑田さんを愛する事に幸せを感じ、桑田さんもそれをしっかり受け止めているのだろうと感じている次第です。最後に心に残るエピソードです。2010年に桑田さんが大病に襲われた際に落ち込む桑田さんから原坊に診断結果を話した際にあの笑顔とあの口調で「そうなんだぁ。大丈夫だよ。治るよ。治そうよ。」と言った言葉に桑田さんは拍子抜けしたと同時に何やら底抜けな「安堵の気持」に成れたとの事です。(やさしい夜遊びより)後日談、原坊は「どうしていいか分からないほど不安で辛かった」と述べていて、あえて明るい雰囲気を醸し出す事に徹底した愛を感じる。そして手術中、原坊一人で個室の中で桑田さんの好きなビートルズのデビューアルバムからレット一トビーまでを無事を祈りながら聴き込んでいた。「ALL You Need Is Love」の時に無事手術がおわったという電話がかかってきとか。言わずとも桑田佳祐を引き立てエンジンを掛けているのは「原由子」であり、原由子を素敵な女性にしてくれているのは桑田佳祐そのモノだと感じ、今更ながら良いご夫婦だと感じました。


「桑田佳祐(原由子) 歌詞の世界」
また機会があればご紹介させて頂ければと思います。


本日もありがとうございました!