Southern Blog

  ~永遠の熱い胸騒ぎ~

~桑田佳祐 歌詞の世界 ⑲~

訪問ありがとうございます!

「桑田佳祐 歌詞の世界 ⑲」を書いてみようと思います。
サザンオールスターズの桑田佳祐さんが創る楽曲の歌詞に的を当て、背景や事実・想像と共に例の如く「個人的見解」重視で(笑)、歌詞の一説に触れてみたいと思い始めたシリーズになります。ファンの方は「あらためて」初見の方や桑田さんに興味の(全く)無い方も斜め読み程度にお付き合い頂ければと思います。少々気持ちが入り長文化?の傾向ですが…(笑) 是非飽きずに最後までお付き合い頂ければ幸いです^^書かさせて頂いた文章と共に実際の各楽曲をセットでお聴き頂けると、これまた幸いです。いつもありがとうございます^^
                        (ジャケ写真は全サザンオールスターズ Official Siteより)


【死体置場でロマンスを】(アルバム:KAMAKURA 1985/09)
「そこに見たのは白い T-bone T-bone 月の光に浮かぶ T-bone T-bone」


ピンとくる方は「なるほど!」と頷いてくれる気がしますが、このタイトルの「言い回し」で思い出されるのは、萩原健一氏と水谷豊氏の伝説のドラマ「傷だらけの天使」である。当時の「傷だらけの天使」は初回から最終回まで「〇〇に〇〇を」といったタイトルを付けていた。(例:宝石泥棒に子守唄を)この楽曲との関連性は低いがそんな事を彷彿とさせた。楽曲はと言えば、目まぐるしく様々なシーンが繰り広げられ韓国ドラマのワンシーンが浮かばれる楽曲内容である。しかしヨクヨク聴き込むと「浮気」に的を当てた男女関係(夫婦関係)を軸にしている事が想像できる。「女房」というワードが入り込んでいる所など、益々「愛していたが故の」夫婦間における様々な出来事や感情のぶつかり合い・憎悪などリアリティを感じる。そして挙げさせて頂いた一説「白く、月の光に浮かぶ T-bone」これは「人骨(白骨)」を意味しているのだと捉えます。何とも物騒な表現だが、それがまたリアリティを醸し出し楽曲の中身を覗きたくなる。「浮気」「裏切り」「執念」「恨み」→「人骨」に繋げると共に、生々しく恐怖の様を強く前面に描く所など桑田さんならでわの表現だと思います。因みに「月の光に浮かぶ」なども心霊的・怪奇的な表現で恐怖心が増されます^^


      

【女呼んでブギ】(アルバム:熱い胸騒ぎ 1975/08)
「女 呼んで もんで 抱いて いい気持ち 
                 夢にまで見た Rug and Roll 女なんてそんなもんさ」


言うまでもなく、このタイトルとメインの歌詞、現代の流れに乗せれば「完全コンプラNG」だろう(笑)しかも1977年のヤマハイーストウエスト決勝大会で披露している事などから時代の背景も窺える。しかし個人的な感覚だが、初めて聞いた時も不思議と「いやらしさ」を感じなかった。むしろ体が勝手にリズムを刻む感覚だったように記憶する。そして、コンプラ縛りの昨今においても世間で何のためらいもなく堂々と流れている楽曲だ。おそらく桑田さんの人間性から出る「当り前」を正面から捉えているのだと感じる。歌詞はと言えば何と言っても「夢にまで見た Rug and Roll」だろう。意味は言うまでもなく「戯れる」である。この表現を1つ取上げても嫌らしさと言うよりも楽曲の「ノリ」しか思い浮かばない。まぁ、これは男性から見た視点で時代は違えど当時も女性は良い気持ちはしない楽曲なのかもしれない。しかしながら男性女性問わず好きな人や好奇心の「夢にまで見た Rug and Roll」は同じなのだろう^^


             

【Let's Take a Chance】(アルバム:NUDEMAN 1982/07)
「熱めのお茶を飲み意味シンなシャワーで 恋人も泣いてる あきらめの夏」


タイトルからして何となく絶望感が走る楽曲だ。何となく視線の合わない恋人同士が語り合う楽曲の様にも聞こえる。歌詞に関してもサビの部分「Darlin' Can't You See? I'll Try To Make It Shine Darlin' Be With Me! Let's Get To Be So Fin」これは女性からの言葉になるのだろうか?簡単に直訳すれば「貴方は解ってますか?きっと上手く行くわよ。私と最後まで…」これも桑田さん独特の「下々ネタ」の表現で捉えれば「貴方は私とは相性がいいのは解ってる?」的な事なのだろうか?しかしどうしても目線が合わず上手く行かない恋人同士を「意味深なシャワー」「恋人も泣いている」などの詩に乗せて表現している様に感じる。直接的に「不仲」を前に出さず詩の世界で表現しているであろう、とても切ない楽曲だ。


                    

【Let's Take a Chance】(アルバム:ステレオ太陽族 1980/07)
「Let's take a chance, Honey Let's make a romance, Baby Can you hear me ?」


以前に当ブログにて「サザン・大人の妖艶な名曲 15」の中でも紹介させて頂いた楽曲だ。
聞き返して頂ければ伝わると思うが、関口さんのベースがお腹の底から響き込む様な感覚を覚える楽曲だ。内容と言えば言うまでもなく「男女間そのもの」を歌い語っている。楽曲内の英語直訳だと意味不明にも聞こえるが英語ニュアンスの分かる方が読み取れば「なるほどねぇ」と苦笑いするはず^^リズミカルな店舗から始まり滑り出しで「チャンスを掴もうよハニー^^ロマンスを作ろうよベイビー・聞こえてるの?」という何とも意味深な出だしを脈々と歌い続けているイメージがある。「女呼んでブギ」でも触れたが楽曲自体は、よくよく歌詞を読み日本語部分含め読み返すと世の風に触れられない様なワードや表現をしている。しかしリズミカルな楽曲のテンポ・英語と日本語を融合させた「桑田節」により「いやらしさ」よりむしろ「男女間の生々しい部分」がテンポと共に体に吸収されて行く感覚がある。「桑田節」ならではの魔法かも知れない。個人的には大好きな楽曲の一つだ。


                             

【赤い炎の女】(アルバム:綺麗 1983/07)
「森と泉のロマンス 花とじる純情なプレイ その群れはどことなく 恋とも違う」


桑田さん独特の「意味深楽曲」の一つでもありますね^^詩の端々を見ると「男同士の成れの果て」「女(め)と女(め)」「弾ける大胆なルール」など、現在話題の「ジェンダー」を意味している様な楽曲だと捉える。「森と泉のロマンス」とは「ブルーコメッツ」の「ブルーシャドー」の出だしをイメージしたようにも思える。曲中には「アン・ドゥ・トロワー」のワードも使われている。これは当時人気の「キャンディーズ」のヒット曲にも影響が重なる。更に楽曲の中身を解けば「ジェンダーの愛」については「純情なプレイ」「その群れ」で括っている様にも感じる。そして「恋とも違う」で締めくくる辺り当時の桑田さんの「好奇心」みたいなものも伝わる。この楽曲もファンの皆さん含め「リズム・テンポ」でリスニングされている方が多いと思われますが、かなり意味深く深堀すればするほど時代背景や桑田さんの「様々な好奇心」溢れる楽曲だと言う事が伝わると思います。


             いかがでしたでしょうか?
  機会が在れば「~桑田佳祐 歌詞の世界 ~」また書かさせて頂こうと思います。
         お時間あれば、お立ち寄り頂ければ幸いです。