Southern Blog

  ~永遠の熱い胸騒ぎ~

~桑田佳祐 歌詞の世界 ⑥~

訪問ありがとうございます!



「桑田佳祐 歌詞の世界 ⑥」を書いてみようと思います。

桑田佳祐さんの創る「歌詞の世界」を個人的発想で書かせて頂いています。
過去5回を振り返ると主に初期ナンバーを ご紹介してきました。今回も引き続き比較的、初期のナンバーによる桑田さんの歌詞一説に触れさせて頂こうと思います。特に「昭和の戦士?」(笑) ご同輩の皆さまに置かれましては「あ~あったあった!この曲!」的に捉えて頂き、相変らずファンの方はあらためて、お初の方は興味本位でご覧頂ければ幸いです。
今回は全てではありませんが、桑田さんが尊敬を示すアーチストに対して率直に・時に叱咤激励の意味を込めた歌詞を「桑田節」に載せ、展開された曲をご紹介しながら、桑田さんの
「その方々」に対する尊敬・尊敬の意をあらためて振り返る事が出来ればと思います。
                  (ジャケ写真は全てサザンオールスターズ Official Siteより)


【Hey! Ryudo! (ヘイ!リュード!)】(アルバム:タイニーバブルス)1980/03
「変わり身の良さだけじゃダメよね。せめてもう一度だけ Boogie Woogie!」


タイトルは、皆さんよくご存じ、ビートルズのHey Jude を意識していますよね。
言うまでもなく、ダウンタウブギウギバンド宇崎竜童さんが主人公の曲です。
そうです、「ちょっと前ならお覚えちゃいるがぁ~♬」の宇崎さんですね。一時期は矢沢永吉さん率いる「キャロル」や岩城滉一さん・舘ひろしさん の居た「クールス」などと同じ毛色の?ダウンタウンBWBでしたが時と共に自然消滅的?になり宇崎さんは奥様の阿木燿子さんと「作詞作曲活動」に力を注ぎTV・ステージからは遠のいて行ったように記憶します。桑田さんは、そんな宇崎さんを残念な感情と共に「ステージにもう一度立ってくれ!」「歌ってくれ!」と言う思いが交錯し、心の本音を現したのだと察します。良いモノや残念なことに対する桑田さんの「心の叫び」として「桑田節」に乗せたサザンでもかなりマイナーだけど意味深い1曲だと捉えます。「変わり身」「せめてもう一度!」に込めてますね。


       

【Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)】(SINGLE)1981/06
「well, i'm gonna star in movies just like dustin' hoffman」>ダスティ・ホフマン
「well, i'm gonna play on stages just like eric clapton」>エリック・クラプトン
「i'm gonna treat you right now just like yoko ono」>オノヨーコ
「well, i'm gonna shoot him deadjust like mark chapman」>マーク・チャップマン


桑田さんの音楽の源はお姉さまの岩本えり子さんの影響が大きいと聞きます。
ご両親がバーを経営されていた事などから、学校から帰ると日々の中で、えり子さんとの時間が多く、えり子さんの大好きだったBEATLES(ジョンレノン)をはじめとする「洋楽」「洋画」に影響を受けた事なのでしょう。「ダスティ・ホフマンの様な映画俳優になってやる!」「ステージでエリック・クラプトンの様に奏でるよ!」「貴方をみまもりますよ。オノヨーコの様に」「マーク・チャップマンの様に彼を撃ち殺しますよ」などかなり入り込んだ歌詞も見受けられる。特にジョンレノンを暗殺した「マーク・チャップマン」を登場させ「ジョンレノン暗殺」を浮き彫りにしているところなど、まさに生々しい。しかし裏返すと「著名人の良い面・辛い面・複雑な心境」が良く描かれていると感じます。


              

【Dear John】(アルバム:人気者でいこう)1984/07
「人が互いのために 大事にするものが 大人になるにつれて 少しだけ感じる…「Love」」


言うまでもなく「ジョン・レノン」に対する追悼の意を示した楽曲ですね。とても短い楽曲ではありますが歌詞の端々に「ジョン・レノン愛」が感じられてきます。特に出だしの「君の声がする方へ 幼い頃誘われて…」などは印象深く感じます。提示した一説にはジョンのありき日の「平和への願い」が込められ作られたであろう「平和を我等に」「イマジン」「ハッピー・クリスマス」などの曲は有名。桑田さんは当時はこの曲たちを「洋楽の一曲」としてメロディラインで聴いていたのかもしれませんね。しかし、ジョンが亡くなり世界情勢や身の回りの変化に違った感情を描いたのだと感じる次第です。(私感)


                     

【吉田拓郎の唄】(アルバム:Kamakura)1985/09
「届かぬ思いに気もそぞろ あれはただの夢か 唄えぬお前に誰が酔う やがて闇に消える」


この楽曲の仮タイトルは、『死ね吉田拓郎』だったらしいです。ご存じの様に1970年代には、フォークの貴公子とまで言われ一世を風靡した「カリスマ吉田拓郎さん」である。当時を知る桑田さんにとっては「憧れ・尊敬」などの的であった。当楽曲がリリースされる当時「引退宣言」をしていた吉田拓郎さんに対して桑田さんは、一見して揶揄している歌詞にも受け取るが逆に「フォークの神よ、こんな所で火を消さないでくれよ」というメッセージがふんだんに詰まっている様にも感じる。「唄えぬお前に誰が酔う」「一人男が死ぬ」「フォークソングのカス」など、よく言えば愛のある「桑田節」の真骨頂ともいえる表現である。
そして1988年には吉田拓郎さんは「桑田節」の叱咤激励が届いたのか?引退宣言を撤回し、現在に至っている訳ですが、現在76歳のご本人発表もあり、既に周知済みと思いますが、
先日のフジテレビ系番組「LOVELOVE愛してる2022最終回」により、本当の引退なのかと思われます。「吉田拓郎の唄Ⅱ」期待しましょう!(笑)


                              

【MICO】(アルバム:綺麗)1983/07
「たしなみばかりが歌じゃない もう一度だけ叫んどくれオレの為に」


ご同輩の皆さまならよくご存じ。「人形の家」という曲は耳にされたことがあると思います。歌われていたのは「弘田三枝子さん」です。洋楽のカバーなどもするなど「歌唱力のあるSoulシンガー」「和製R&B」と言ったところでしょう。あだ名は「ミコ」。ここでも「桑田節」は炸裂する訳ですが「叱咤激励」ではなく「想いを寄せる少年の切実な気持」をストレートに描いている作品ではないでしょうか? 幼少期から彼女の唄声に憧れていた桑田さんはいつまでも全盛期の「ミコ」であってほしかったのでしょう。書かせて頂いた一説の中に「もう一度だけ叫んでくれ」というのは「叫ぶような情熱的な歌唱力」を言いたかったのでしょう。2020年に弘田さんは73歳で亡くなる訳ですが、後に桑田さんの恒例でもあった「2018 一人紅白歌合戦」でも「人形の家」を歌われています。


     


いかがでしたでしょうか?
今回は桑田佳祐さんが尊敬・憧れを持ち作成した5曲をご紹介いたしました。
一見「毒吐き」「揶揄」「罵倒」的に思える歌詞も本人の心に止っている人格でなければ「楽曲にすらしない」でしょうね。ストレートな感覚を当ててくる「桑田節」大好きです。



「桑田佳祐 歌詞の世界」
また機会があればご紹介させて頂ければと思います。


本日もありがとうございました